やれそうな予感
その日は朝から高揚していた。
理由など無い。
体中に精気が満ち溢れている感じ。
目覚まし時計が鳴る前に目が開いたその朝、
俺は不意に カメハメ波 が撃てそうな衝動に駆られた。
憧れの カメハメ波。
今、俺はベッドを飛び起き、あの構えを取った。
左半身に構え、腰を深く沈める。
両の掌を合わせ、集中した。
カアァァァ
メエェェェ
ハアァァァ
メエェェェ
体中が熱くなる。
目が血走り、掌が燃えるように感じた。
波アァァァァァァァ!!!
静けさが漂う中、ただ小鳥の囀りが続いている。
虚空に突き出した両手の先には、
平和な朝の空が、窓越しに、どこまでも青く澄んでいた。
今日も日常が始まる。
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