海月


金沢の海は綺麗です。

金沢のお姉さんも綺麗です。
全てのお姉さんが綺麗かと聞かれると黙秘させていただきます。

私のアパートから車で20分ほどの海岸には、広い砂浜があり、貝の死骸もほとんど無く、裸足で泳いでも怪我をすることなどありません。
泥も石もありません。波が穏やかで、砂が舞いあがっていないときや、ミジンコのようなプランクトンがいないときの透明度はちょっとしたものです。
とにかく海が青い。

50ｍほど沖には、砂浜を守る波防ブロックがあり、ワカメなどの海藻が広い範囲に生い茂って、その周りにたくさんの魚が集まっています。
良く肥えた牡蠣が無数に取れ、魚群の中を泳ぐことが出来ます。

砂浜にはたくさんの流木と枯草が打ちあがっているので、マッチ一本で簡単に火を起こすことができ、沖で取ってきた牡蠣を焼いて食べるのが、まん丸教祖の海水浴のスタイルです。

特に道具を持っていかないので、牡蠣しか取って食べていませんが、銛を持っていけば、30cmを超える魚を何匹も取れるに違いありません。

波防ブロックの上を泳いでいると、いつも至近距離で私を挑発してくる魚くんがいるのですが、銛を作って持っていった暁には、必ずや、我が血肉に加えようと思っています。

眞鍋かをり好き好き信者が言うには、60cmを優に超える魚も泳いでいたそうで、海の男の血が騒ぎます。
私は海の男ではありませんから、食欲が騒ぎます。

夜になると沖にイカ釣り漁船が100隻も一列に並び、海の向こう側に街があるようです。
月夜の砂浜で、焚き火の周りを中腰になってまん丸ダンスを躍りながら練り歩き、UFOとの交信を試みていると、北斗七星とカシオペアが見えました。
私はオリオン座が好きなので、特にどうということはありません。
UFOは通信システムに念力を採用していないようで、コンタクトは失敗しました。
こっち方面で布教は出来そうにありません。

流れ星がありました。
そんなことより、あんなに漁船がいたら、イカが取れなくならないのか心配です。
ジャスコでイカそうめんが完売しているのを見たことが無いので、取りすぎではないでしょうか。

夜光虫が見たくて夜までまっていましたが、今回はまったくいないようでした。
夜光虫のいる海での遊泳は、人生で一度は経験しないと、何のために生まれてきたのかと思えるほど、神秘的です。
水を掻く腕から光の粒子が帯になって流れ、真っ暗な水の中にたなびいて行きます。
月に照らされた海底の上を、友人が潜水していくと、淡い光の帯が彼に纏わりながら伸びていくのです。
ゲームの世界そのまんまのエフェクトです。

調子に乗って光の粒を食べようとしたら、海水を飲んでしまい、塩辛さにへきへきさせられるので気を付けましょう。
何でも食べられると思ったら大間違いです。

私は食べようとしたのではなく、味見をしようとしただけですので、間違ってはいません。
だから、実体験からの忠告ではではありません。
味見をしようとしただけです。


ではまた　ごきげんよう。