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シンシウエニシ徒然草々


Diary-2007/07/08
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青田


近所の水田が、青々と元気いっぱいの稲をたたえています。

しゃがみこんで、道端から稲に向かって話し掛けました。

「元気か? おっちゃんは元気や。
 瑞々しいな、今が一番いい時やで、元気いっぱいや。
 青々しやがって、青春時代やな、おまえら青いねん。
 おっちゃんもな、そういう時があった。
 おっちゃんにもあったんや、青い時がな。
 ほな、もういくわ。
 ええ米になるんやぞ。おっちゃん待ってるさかいにな。
 ほなな。」

もっとたくさん話したかったのですが、人の目が気になりだして、そそくさと切り上げました。
青い稲は本当に生命力に溢れていて美しい。
思わず、話し掛けずにはいられなかったのです。

水田は、一反(約10a)で約七俵〜八俵、450kgのお米が取れます。
一日二合として、三人が一年間で消費するお米の量です。
430万丁(430万ha)の水田で日本人全てのお米が賄えます。
現在、日本の水田は260万丁、琵琶湖の40倍の面積があります。
全然足りてません。
おまけに毎年、1パーセント以上減少しつづけています。

主食として、麦も半分近く食べているので、実はお米の供給は260万丁でも足りてます。
麦はまったく足りてません。輸入万歳です。

農家は、30丁以上の大規模で無いと補助金無しでは、やっていけないので、これからもガンガン減っていきます。

輸出国の都合で、穀物を輸入できなくなったら、どうしようと心配になりますが、やがて、中国などが食料輸入国になると、世界的に食料のお値段が上がるので、そうなれば日本の農家もまた、活気が戻るでしょう。
その時は、自動車会社が政府によって統合されたように、農家も大規模農業企業に統合されて効率化され、仕事を失った農家のおじいちゃん達は、寿命で幸せのうちに向こう側へ移民するので、一件落着になるかもしれません。

エンゲル係数は上がりそうですが、農家のおっちゃん達もがんばっているので、消費税が上がるよりは、ずっとましかもしれません。

昔、人力では、一人が一日に刈入れできるのは一反の広さだったそうです。
コンバインを使う今では、一反30分で脱穀までやっちゃいます。
農機具を造った人は偉い!
ヤン坊とマー坊は鉄腕アトムよりすごい奴です。

ちなみに、生産したお米の熱量より、農機具の生産と運用で消費した燃料の熱量の方が勝っています。
人間も石油を食ってることになりますね。
びっくり事実です。

つまり、現代日本は食料自給率がほぼゼロという驚愕の結果に!

自分で言っといて信じられません。
風が吹けば桶屋が儲かってます。残念。


ではまた ごきげんよう。


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